体重マネージメント外来(肥満代謝外来)のご紹介

体重マネージメント外来(肥満代謝外来)とは

● 体重マネージメント外来は、単に体重を減らすことを目的とした外来ではありません。
● 肥満症は、糖尿病高血圧・脂質異常症・睡眠時無呼吸症候群など、さまざまな生活習慣病と深く関係する医学的な疾患です。当外来では、体重の増減を「見た目」ではなく、健康への影響という医学的観点から評価し、一人ひとりに合った治療・管理を行います。
● 診察では、体重やBMIだけでなく、既往歴、服薬状況、生活習慣、検査結果などを総合的に確認し、必要に応じて食事・運動のアドバイスや、医学的根拠に基づく薬物療法を組み合わせていきます。
● 治療は短期間の減量を目指すものではなく、安全に、無理なく、長期的に体重を管理することを重視します。医師の管理のもとで行うため、副作用や体調変化にも十分配慮しながら進めていきます。
体重減少や見た目の変化のみを目的とした、いわゆるダイエット目的の診療は行っておりません。
● 内科専門医が継続的に関与し、肥満症による健康リスクの軽減と、長期的な予後改善を目指した診療を行うことが、この外来の目的です。

肥満症・代謝外来(内科的包括管理)

本外来は、肥満症や代謝異常(糖代謝・脂質異常など)を対象に、医学的評価と安全管理を行う内科専門外来です。 体重減少のみを目的とした美容・痩身目的の診療は行っておりません。 診察の結果、医学的適応がない場合は処方を行わないことがあります。 ※本外来は保険適用外の自費診療です。

肥満代謝外来マスコット
代謝サポートドッグ
「しばけんたいしゃ」

肥満症や代謝の治療に取り組む皆さまを、そっと支える肥満代謝外来のマスコットです。
体重や数値に一喜一憂するのではなく、「続けられる治療」「無理のない生活改善」を大切にする気持ちを伝えるために生まれました。
治療は、急がなくて大丈夫。できることを、できるペースで。
しばけんたいしゃは、患者さま一人ひとりの歩みに寄り添いながら、代謝を整える毎日を応援しています。

  • 名前:代謝サポートドッグ
  • 愛称:しばけんたいしゃ
  • モチーフ:柴犬
  • 担当:肥満・代謝外来の応援団長
  • 性格:落ち着いている、まじめ、無理をさせない、続けることを大切にする
  • 口ぐせ:
    「今日も一歩ずつで大丈夫」
    「代謝は毎日の積み重ねだワン」
代謝サポートドッグ
しばけんたいしゃ

肥満症とは

肥満症は、肥満に健康障害を伴う場合に診断される「治療対象となる疾患」です

肥満症とは、医学的に減量が必要な肥満のことをいい、ひとつの疾患として扱われます。肥満によって生じる、または肥満に関連する健康障害がある場合、あるいは内臓脂肪の蓄積によってそれらの健康障害が起こりやすい状態(内臓脂肪型肥満)である場合に、肥満症と診断されます(1)。以下のような健康障害をお持ちの方で、肥満(BMIが25以上)であれば、肥満症に該当する可能性があります。

【肥満によって生じる、または肥満に関連する健康障害】

1)日本肥満学会編:肥満症診療ガイドライン2022, ライフサイエンス出版, 2022, p1-7

肥満のメカニズム

肥満は、摂取エネルギーと消費エネルギーのバランスが崩れることで生じます。食べすぎによって摂取エネルギーが多くなったり、運動不足によって消費するエネルギーが少なくなったりすると、余分なエネルギーが脂肪として蓄積され、肥満につながります。これらのエネルギーの調節には、食事や運動の習慣などの環境的要因に加え、食欲や体内のエネルギー消費量といった生理的要因も関係しています(2)。遺伝的要因についての研究もされており、BMIを規定する要因の67%が遺伝的なものであるという報告もあります(3)

さらに、ストレスなどの心理的要因や、仕事や収入などの社会経済的要因が、生活習慣を介して肥満に関係することも考えられています(4)。このように、肥満に至るまでのメカニズムには、単に食べる量や運動量だけではなく、様々な要因が存在しています。

2)医療情報科学研究所編:病気がみえる vol.3 糖尿病・代謝・内分泌 第5版, メディックメディア, 2019, p126
3)Maes HH et al.: Behav Genet 27(4):325-351, 1997
4)日本肥満学会編:肥満症診療ガイドライン2022, ライフサイエンス出版, 2022, p32-37

肥満の定義、および肥満症の定義と診断

  • 肥満の定義
    脂肪組織に脂肪が過剰に蓄積した状態で、体格指数(BMI=体重[kg]/身長[m]2)≧25のもの。
  • 肥満度分類の判定
    BMIに基づき表1-3のごとく判定する。また、BMI≧35(≧肥満3度)を高度肥満の定義とする。
  • 肥満症の定義
    肥満に起因ないし関連する健康障害を合併するか、その合併が予測され、医学的に減量を必要とする疾患。
  • 肥満症の診断
    肥満と判定されたもの(BMI≧25)のうち、表1-2の1に示す「肥満症の診断に必要な健康障害」を合併する場合、肥満症と診断する。内臓脂肪型肥満と診断される場合*は、現在 健康障害をともなっていなくとも、肥満症と診断する。
    *内臓脂肪型肥満の診断:ウエスト周囲長のスクリーニングにより内臓脂肪蓄積を疑われ、腹部CT検査などによって内臓脂肪面積≧100cm2が測定されれば、内臓脂肪型肥満と診断する。
BMI(kg/m2) 判定 WHO基準
BMI<18.5 低体重 Underweight
25≦BMI<30 肥満(1度) Pre-obese
30≦BMI<35 肥満(2度) Obese class Ⅰ
35≦BMI<40 肥満(3度)* Obese class Ⅱ
40≦BMI 肥満(4度)* Obese class Ⅲ

*肥満(3度・4度)は高度肥満

日本肥満学会編:肥満症診療ガイドライン2022, ライフサイエンス出版, 2022, p1-2

肥満症治療の重要性

肥満症は糖尿病・高血圧・脂質異常症・睡眠時無呼吸症候群などの原因となります

肥満症は単なる体重の増加にとどまらず、さまざまな生活習慣病のリスクを高める重大な疾患です。特に糖尿病との関連は深く、内臓脂肪の蓄積がインスリン抵抗性を引き起こし、 2型糖尿病の発症リスクを高めます。
また、睡眠時無呼吸症候群も肥満と密接に関係しており、気道周囲の脂肪沈着が気道を狭め、睡眠中の呼吸停止を招きます。これにより日中の眠気や集中力低下、さらには心血管疾患のリスクも増加します。
さらに、脂質異常症や高血圧、脂肪肝、関節疾患、うつ病など、肥満が引き金となる健康被害は多岐にわたります。
したがって、肥満症の治療はこれらの合併症の予防・改善に直結し、生活の質を大きく向上させる重要な医療介入といえます。

肥満症の治療

生活習慣改善を基本に、必要に応じて薬物療法を含めた治療を行います

【肥満症の治療目標】
肥満症治療の目標は、体重を減らすことで、肥満に伴う健康障害を改善する、またはその発症を防ぐことです。3~6ヵ月後の目標体重を決めて治療に取り組みます。
  • 食事療法
    適切な摂取エネルギー量を設定し、内臓脂肪を減らすことを目指します。極端に栄養素が偏らないように注意し、炭水化物、蛋白質、脂肪をバランスよくとるようにします。
  • 運動療法
    主に有酸素運動によって、消費エネルギーを増やし、効率よく脂肪を燃焼させます。運動の程度や頻度、種類は、ひとりひとりに合わせて決められます。
  • 薬物療法
    食事療法や運動療法、行動療法だけでは減量が不十分である場合は、医師の判断によって、これらに加えてお薬による治療が考慮されます。 お薬による治療は、必ず医師や薬剤師の指示のもとで行ってください。
  • 外科療法
    食事療法や運動療法、で効果が得られない 高度肥満症に対しては、外科療法 (減量・代謝改善手術) が検討される場合があります。 日本では現在、胃を小さくする手術で ある腹腔鏡下スリーブ状胃切除術が 保険適用となっています。

医学的根拠に基づく治療選択のための診察
自費診療のご案内

当院では、肥満症に対する医学的評価と継続的管理を目的として、内科専門医の管理下で行う自費診療を実施しています。
生活習慣の改善を基本としたうえで、医学的に適応があると判断した場合に限り、薬物療法を治療選択肢の一つとして検討します。
なお、体重減少や 美容目的のみを目的とした診療は行っておりません。

【 GLP-1受容体作動薬 自費診療 】

当院では、GLP-1受容体作動薬による治療を医学的管理を伴う自費診療として行っております。

  • 診療内容
    ・医学的適応の判断
    ・副作用、使用上の注意の説明
    ・自己注射指導
    ・処方期間に応じた安全性評価
  • 料金(税別)
    <診察料>
    ・初診料 5,000円
    ・再診料 4,000円
    <管理料・採血料を含む>
    ・1か月処方 4,000円
    ・2か月処方 6,400円
    ・3か月処方 9,600円
  • 薬剤費は調剤薬局で別途お支払いください
  • 自費診療のため消費税が加算されます
  • 保険診療との併算定はできません
  • 他に生理機能検査などを行う場合には別途費用がかかることがあります